iDeCoはどう変わる?2025年度税制改正のメリット・デメリット徹底解説

iDeCo

はじめに

2025年度の税制改正で、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)の制度が大きく変わります。
これまで「老後資金づくりの強い味方」とされてきたiDeCoですが、今回の改正ではメリットが広がる一方で、注意すべきポイントも。

この記事では、初心者でもわかりやすく「改善点(メリット)」と「改悪点(デメリット)」を整理し、損をしないための使い方を解説します。


iDeCoとは?(かんたんおさらい)

iDeCoは、自分で掛金を出して投資信託などで運用し、60歳以降に年金や一時金として受け取れる私的年金制度です。

主なメリット

  • 掛金が全額所得控除(節税になる)
  • 運用益が非課税
  • 受け取り時にも控除が使える

注意点

  • 原則60歳まで引き出せない
  • 口座維持手数料初回と拠出毎にかかる

>また、よく似た制度としてNISAがありますが、違いをまとめた記事はこちらからご覧ください。
NISA vs iDeCo どっちがお得?基礎から徹底解説


2025年度 iDeCo改正ポイント【早見表】

改正内容現行(〜2024年)改正後(2025年〜)ポイント
最低拠出額(一律)月5,000円月5,000円変更なし
拠出限度額(自営業)月68,000円月75,000円7,000円増額
拠出限度額(会社員・公務員)月20,000〜23,000円月62,000円企業年金がある場合は合算
拠出限度額(専業主婦/主夫)月23,000円月23,000円変更なし
企業型DCとの合算上限月55,000円月62,000円企業型DCと併用しやすく
加入可能年齢20~65歳まで20~70歳未満まで5年間延長
マッチング拠出事業主掛金の範囲内制限撤廃自己拠出額を増やしやすく
受給時課税退職所得控除
5年ルール
退職所得控除
10年ルールへと改悪
控除枠縮小

改善点

  1. 拠出額の上限アップ
    → 自営業・会社員・公務員は拠出上限アップ。特に企業年金がない会社員は「月62,000円」まで大幅アップ。
  2. 加入年齢が70歳未満まで延長
    → セカンドライフに向けて「長く積み立てたい」人に有利。
  3. マッチング拠出の制限撤廃
    → 会社員が自己負担で追加できる金額が増え、運用の自由度が高まる。
  4. 手続きがデジタル化
    → マイナポータル経由での手続き簡素化が進む予定。

改悪点

  • 受給時の課税ルール厳格化
    → 「退職所得控除」が5年で復活するルールが改正され、10年となりました。この変更により60才でiDeCo受け取り、65才で企業の退職金受け取りの鉄板ムーブが潰されてしまいました。

正直、改悪内容そのものよりも何十年もあとの受け取りが前提の制度に対し、毎年税制改正があるこの仕組みを本当に利用すべきか?判断に迷うところです。例えば受け取り年齢が65才に引き上げられたりなども想像に難しくありません。じっくり考えて検討しましょう。


どんな人にプラス?マイナス?

  • メリットが大きい人
    • 40〜50代で老後資金を厚くしたい会社員・公務員・自営業
    • 所得が高く、所得控除の恩恵が大きいかた
    • 長く働き続ける予定のかた
  • 注意が必要な人
    • 20代で受け取りまでの期間が長いかた
    • 所得が低く、所得控除の恩恵が少ないかた
    • 制度が複雑かつ毎年変更があるので追いかけるのが面倒なかた

まとめ

2025年度の税制改正により iDeCo は、

  • 「拠出額増・加入年齢延長」という改善
  • 「5年ルール→10年ルール」という改悪
    の両面があります。

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